2006年11月14日火曜日

「幻のメタタグ」USFL連載その4

4回目はUSフロントライン誌の11月1週号(「映画 冬の陣」号)に入っています。

コラム「幻のメタタグ」 は、このブログ内でお読み頂けます。

やさしく解説 ウェブマーケティング
レイア・ワークマン(ACE Inc.)

前回(11月1週号)は、SEOとマラソンの類似、そしてTITLEタグについて書きました。今回は「メタタグ」の過去と現在についてお話しします。

メタタグって何?

 Googleが登場する前(1996?97年頃)、当時のメジャー検索エンジン(InfoseekAltaVistaLycos及びHotBotの裏側で使われていたInktomi〔後にYahoo!が買収〕)では、検索結果の表示順位を決定するアルゴリズム(通称アルゴ)に、メタタグが大きく関与していました。

 メタタグとは、ウェブ閲覧者には見えない、ウェブページ上部のHTMLコードにある、決まった書き方で始まる情報のことです。写真のようにメタタグには、Meta-KeywordタグとMeta-Descriptionタグがあり、初期の検索エンジンが、そのサイトの内容を判断する材料にしていました。

 特にKeywordタグは当時、上位表示手段として大活躍でしたが、検索エンジン・スパムの誕生にもつながりました。メタタグの乱用によって、そのサイトと全く関係のない検索語にヒットしてしまうことが頻繁にあったのです。つまり、極めて単純な上位表示アルゴの時代でした。

 その後、検索エンジン側も学習し、天才的なアルゴを発明したGoogleなどは、メタタグ(特にKeywordタグ)を重視しなくなりました。2000年には、メタタグによるスパム天国だったAltaVistaですら、メタタグの利用をほとんど止め、唯一、Inktomiだけが利用していました(当時のInktomiの代表曰く、メタタグは全体の順位決定アルゴのほんの一角)。

メタタグ使用は無意味か?

 現在のSEOにおいて結論を先に言うと、メタタグを使わなくても、上位表示は可能です。そして、メタタグだけで上位表示が可能な主要検索エンジンも存在しません。しかし、それでもメタタグは、ウェブページに入れておくべきです(SEOという文脈を離れた意味においても)。

 前回に続きSEOをマラソンに例えれば、メタタグは靴紐のような存在でしかありません。もちろん、靴紐があるだけではマラソンに勝てません(中には裸足で速く走る選手もいます)。しかし、もしも双子の選手が全く同じように10年間トレーニングをし、全く同じ走力であり、全く同じ体調でレースに参加したとすれば、もしかしたらその二人の勝負は、とても些細なことによって決まるかもしれません。そして、それが靴紐なのかもしれないのです。

 ご存知のように、SEOレースでは引き分けはありません。靴紐が最後に勝負を決めることもあり得るのです。

 「サイトの上位表示実現に役立ちそうにないことばっかり! もっと役に立つことを教えて!」と思われている方、どうか怒らないで(笑)。SEO解説本や情報サイトが溢れている今、簡単に知り得る情報は既に古く、勝負の決め手になるものではないとお伝えしたかったのです。少なくとも、SEOにおけるメタタグやTITLEタグの意味を知っていれば、SEOを本当には理解していない業者さんに簡単に騙されなくなるかも(サイトオーナーさん必見の豆知識?)。

2006年11月6日月曜日

「SEOのイロハ教えま-す」USFL連載その3

3回目はUSフロントライン誌の11月1週号(「英語でスピーチ!」号)に入っています。

コラム「SEOのイロハ教えま-す」 は、このブログ内、もしくはこちら(PDF 2.16MB )>>>でお読み頂けます。


やさしく解説 ウェブマーケティング
レイア・ワークマン(ACE Inc.)

第1回(10月1週号)で、SEOとは、検索エンジンにおける非公開の順位決めルール(通称アルゴ)を推測し、意図的に自分のサイトを検索結果の上位に表示させるものだと説明しました。今回はもう少し具体的なお話しです。

SEOはマラソンに似ている?!

 SEOは、狙ったキーワードの検索結果で上位に自分のサイトを表示させ、人目に触れる可能性を高めます。よく似ているのがマラソンです。上位グループの走者は、テレビ中継に映る可能性が高まり、その分スポンサーの宣伝にもなるからです。

 ただし、マラソンと大きく違うのは、SEOのルールが一定ではないこと。タイム以外にも評価基準が多数ある上、前のレースで有効だったことが今回は無効になったりと、何だか訳が分かりません。そして一番辛いのは、レースに終わりがないこと。頻繁なルール変更の下、常に先頭集団で走り続けなければならないのです。

レースに参加できる最低ライン

 マラソンにも参加資格があると思うのですが、SEOレースにも最低条件があります。本来ならば、これからご紹介していく「SEOの基礎」は、「ウェブ作りの基礎」に含まれるべきですが、ウェブ制作業者さんにも驚くほど理解されていないようです。SEOを簡単に考えている業者さんも少なくはありません。まぁ人生と同じで、検索エンジンの世界はそんなに甘くはないのですが(笑)。
 では、SEOレースのウォームアップを始めましょう。

画像だけのサイトはダメ
 誰しもカッコいいサイトが好きです。そして、文字より画像の方がカッコ良かったりするのは当然です。しかし検索エンジンは、画像に含まれている文字を認識できません。つまりFLASHなど、ほとんど画像だけからなるサイトは、最初からSEOレースを棄権したようなもの。ビジュアルにこだわる一方で、ユーザーがいかにそのサイトを見つけるかまでは考えていないケースもあるのでご注意を。いくらカッコ良くとも、ビジターが来なくては意味はありません。

TITLEタグって何?
 サイトをブラウザで表示した際に、一番上にタイトルとして表示させるテキストを記述した部分を、TITLEタグと言います。これは、写真のように、大体の場合、検索結果でリンク文字になっている部分でもあります。
 ユーザーは検索結果のタイトルと要約文から、欲しい情報に近いものを選び、クリックします。つまり適切なタイトルになっていないと、サイトを見てもらう機会をそれだけ失うことになります。検索エンジンにおいて、TITLEタグは順位を決める要素の一つですが、最近の一部のアルゴ変更でその重要度は変わっており、上位グループの走者(SEO業者)なら、それを察知して走法を少し変えているかもしれません(ちなみにアルゴは、マイナーチェンジが数カ月に一回、抜本的な変更が1年に数回行われます)。

まだマラソンには勝てない
 さて、文字コンテンツと、意味のあるTITLEタグを用意できれば、あなたはマラソンに勝てるでしょうか? 実は、まだ勝つにはほど遠いのです。せいぜい走る許可を得るため、健康診断をパスした程度です。要するにこれらは、レース参加者なら誰でもクリアしていることなのです(笑)。
 しかし、ともかくスタートラインに立たなければレースに参加できません。

2006年10月14日土曜日

「検索エンジンスパム」 USFL連載その2

2回目はUSフロントライン誌の10月3週号(「日米笑いのツボ考」号)に入っています。

コラム「検索エンジンスパム」 は、このブログ内、もしくはこちら(PDF 2.2MB )>>>でお読み頂けます。

やさしく解説 ウェブマーケティング
レイア・ワークマン(ACE Inc.)

前回のコラムでは、ウェブマーケティングの中でも検索エンジンで上位表示させる、SEOやPPCといった手法について触れました。今回もう一度、検索結果について考えてみましょう。

各エンジンは、ユーザーが検索結果に満足できるように、なるべく高い関連性の持つウェブサイトを表示させることで利用者を増やしていきたいと考えています。そのため、それぞれ極秘のアルゴリズム(通称アルゴ)と呼ばれる、独自の表示順位を決める仕組みを開発し、検索精度を競い合っています。

しかし極秘といえども、SEO業者はこのアルゴを解析し、より好まれるサイト構成などを意識的に実現して、なるべく「自然」に上位表示させます。操作している上で「自然」と呼んでいるのはちょっと図々しいかもしれませんが、お許しを。(笑)

そして更にアルゴの弱点を付き、エンジンを騙し、悪用することも技術的には可能になります。これが所謂サーチエンジンスパムという奴です。

こんな経験はありますか?

何かを検索しようとして、検索結果のサマリーに関連性のありそうなサイトを見つけ、クリックしてみると、行き先のページは全く関係ないものが表示される。これは、もしかしたらサーチエンジンスパムです。

クローキングというスパムは、人が目にするコンテンツとは別に用意した、エンジンに解析させるためだけのコンテンツを読ませる手法で、完全にエンジンを騙すものです。
なお実際にはスパム手法も多数あり、一例では白文字スパムと呼ばれる、文字を目立たないように背景色と同じにし、キーワードをページ内に詰め込むというのも、昔はよく見かけました。

検索エンジンはスパムを本気で嫌っています。スパムによって検索結果が汚されると、ユーザーを失いかねないからです。さらにはPPCで広告収益を得るはずのものが、スパムにより簡単に上位表示されてはたまりません。この点においては、SEOもPPCを使わずに上位表示させるという意味で、検索エンジンからすればおもしろくないのは同じですが、SEOは認めたくはないけれど仕方なく合法、スパムは違法といった感じです。
※注:PPCとは検索エンジンにお金を払い、上位ポジションを買う手法(第1回コラム参照)

スパムの代償とは

検索エンジンからスパムと見なされた場合、軽い罰則ではデモーション(サイトの順位降格)、厳罰の場合はサイトがブラックリストされ、エンジンへの登録が半永久的に抹消されます。
ここで注意して欲しいのが、仮に業者がスパムを行っても、罰則はあくまで直接サイトオーナーにふりかかるという点です。スパムが意図的であるか否かも関係ありません。例え知らずにスパムを行ってしまっても罰則を受けます。

ちなみに日本の某ネット広告代理店が運営しているサイトが、GoogleのIndexから一時削除されて大騒ぎになったのは結構最近の話。SEOサービスを謳う業者も増えましたが、稚拙な知識で取り返しのつかないダメージを顧客に与えかねないという典型的な例でした。

まともにSEOをやっていれば、当然悪い方法も知っています。(知らないのは論外)しかし正統的SEOとサーチエンジンスパムとでは魔法と犯罪くらいの違いがあるのです。


ちなみに私はあくまでも良い魔法使い。
(良いSEOの棒を振るラララー)

2006年10月5日木曜日

「SEOとPPC」 My First USFL column

1回目はUSフロントライン誌の10月1週号(「アグリツーリズムの今とこれから」号)に入っています。

コラム「SEOとPPC」 は、このブログ内、もしくはこちら(PDF 2.16MB )>>>でお読み頂けます。


やさしく解説 ウェブマーケティング
レイア・ワークマン(ACE Inc.)

このコラムの題名を見て、“ウェブマーケティングって何??自分とは関係ない、つまらなそうな話題!”と思われているかもしれません。でも信じて!、“ウェブマーケティング”という話題は奥が深くて、一般のユーザーの方にとっても決してつまらない話題ではありません。そしてもしもビジネスにウェブサイトを活用されているのであれば、面白いだけではなく、むしろ死活問題のお話です。

みんな検索エンジンを使っている!

さて、皆さんはインターネット上で、商品やサービスなどを探されたことはありますか?「ある」と答えられた可能性は高いはずです。何故なら、日本人の67 % (約8,630万人)とアメリカ人の69% (約2億人以上)はインターネットユーザだからです。

アメリカ国内だけでも、1日の検索数がYahoo!においては約6,000万件、Googleにおいては何と9,100万件だそうです。そのうち40回くらいは、おそらく私が検索したカウントが含まれていることでしょう。(笑)

例えばたまたまこのコラムを目にされて「ウェブマーケティングって実際何なの?」と思われた方が、Yahoo!で“ウェブマーケティング”を検索されるかもしれません。実際に今検索してみると、それに関係したページが実に14万件以上も表示されます。これだけ情報があれば、何かを調べるには事欠かないですよね。

検索結果で人が見てくるのは何ページ目まで?

しかしそれだけ大量のページが表示されても、私なら20件も見ればギブアップかも。皆さんはどうですか?実際に見ているのは最初の数ページだったりしませんか?上の方から順にクリックしていき、目的の情報が見つかれば、はいそこで終了という感じで。

これって要するに順位が下の方では、そのサイトは存在すら知られないということなんです。では逆に、順位が上位に来ているサイトは何故その位置に来ているのかを考えたことはありますか?サイトオーナーであれば、自分のサイトは何故来ないと疑問に思われたことは?果たして、上位に来ているサイトにはどういった秘密があるのかと。

検索結果で上位に来るサイトの秘密は?

その秘密とはズバリSEOとPPCです。何かと3文字略語が好きなIT業界ですが、SEOとはSearch Engine Optimizationの略で、訳すと検索エンジン最適化。(うーん‥訳さない方がカッコいいか(笑))ちなみにPPCはPay Per Clickの略。どちらも意図的に上位表示を狙う手法ですが、仕組みは全然違います。

SEOは検索エンジンの順位決めの非公開ルールを推測しながら、検索エンジンに好まれるサイト構造にしていく方法で、PPCはキーワードに連動してテキスト広告をあたかも検索結果の一部として表示させる方法です。

先ほどの例、「ウェブマーケティング」をYahooで検索した場合、枠1がPPC、枠2がSEOによるものです。



なおSEOには専門技術ノウハウが必要な一方、PPCはポジションが入札により決定されるので、お金さえ出せば誰でも1位が確保できます。しかしSEOと違い、PPCはその名の通りクリックされる毎にサイトオーナーに広告費が発生し、1クリックの単価は数セント?10ドルを超えるものもあります。うまく使わないと簡単にお金をドブに捨てることになるのでご注意を。


次回10月3週号(No.329)では、皆の敵、検索エンジンスパムについて書きます。

2006年10月1日日曜日

「やさしく解説 ウェブマーケティング」連載記事始めました!

日系の全米誌雑、USフロントライン(http://www.usfl.com/)さんで、
「やさしく解説ウェブマーケティング」という連載コラムを書き始めました。
やさしく解説 ウェブマーケティング

アメリカ国内にも「ウェブマーケティングブーム」を起こしま?す!!(笑)

2006年7月29日土曜日

お疲れ様US! Webマーケティングサイトリニューアル完成!(?)

数年ぶり?に、弊社のWebマーケティング総合サイトをリニューアルしました!

実はこのリニューアル計画は1年前からあったのですが、
やはりクライアント様のお仕事を優先しなければと、
そうこうしている内にえらい時間が掛かってしまいました。(笑)

コンテンツは幾度となくど土日を使い、半年前には用意できていたのですが、
デザインで色々ともめて‥色々疲れました。
とはいえ、何とか完成できてほっとしています。

実は今回のWebリニューアル、今までの志向から少しはずれて、
思いっきりやりたいことをやってやろうという隠れたテーマがありました。
(クライアント様のサイトでは、どうしても全部思い通りにはならないので)

しかし少し思い切りが良すぎたかも(笑)
画像はまだちょっと重いかな‥うふふ


1つのコンセプトとして、見てくれる人ができるだけ楽しめるサイトにしたつもりです。
通常ビジターが1ページを見るのに掛ける平均時間は30秒程度、
その中でうちのような小難しい商材を扱うコーポレートサイトで全てを伝え切るのは不可能に近い。
そこで最低限のメッセージ的なものでも、掴んでもらえるようなサイト構成にしたつもりです。

賛否両論になるのは覚悟の上ですが、少しだけ"新しい企業Webのスタイル"を生意気にも追求してみました。

コンテンツは、Webマーケティングを全般的に包括するような内容になっています。
正にこれから旬になっていくだろうバイラルマーケティングや、



日本ではまだあまりフォーカスされていないCI (コーポレート・アイデンティティ)なんかにも触れて見ました。



またうちの得意なブランディングサービスも、日本ではまだ珍しいのかもしれませんね。


それからWebマーケティング度を測る無料診断ツールもあるので、
興味のある方は是非ご利用ください。

2006年2月28日火曜日

お久しぶりです!!

お久しぶりです。
昨年の暮れから騒がしさに追われて、毎週ブログを書くことがずーと後回しになってしまいまして申しわけありません。

いつの間にか年も明けて、早2ヶ月も経ってしまいました。(笑)

それに一つ気づいたことがありまして、私という人間はもしかしたらブロガー精神を持っていないかもしれないのです。
そこでちょっと方針を変えます。「ブログ」というよりもたまに「コラム」を書くことにします。

相変わらず検索エンジン業界と検索エンジンマーケティング世界において日々自分にとって、またこの業界にとって面白い出来事や進展がありますが、それらのすべてをここで書こうとするのは取りあえず控えておきます。

気まぐれに空いた時間に、面白いと思ったことのコラムを書くことにしようと思います。
今までどおり英語版は先に出ますが、時間が許す限り和訳もするので楽しみにしてください。:)

2005年11月27日日曜日

G.I.S (Googleイメージ検索)遊びの楽しいサイト

今回はちょっと一息ついて、友達が教えてくれた楽しいサイトの紹介です。

好きな言葉をこのサイトに入力すれば、G.I.S. (Google Image Search)で一位に出てくる画像が文字化されます。

百聞は一見にしかず。
いろいろ遊んでみてください。

2005年11月18日金曜日

訳せないAmerican Joke

今回のお話は退屈の金曜日の夜に書いていた次回のお話の紹介ですので、 くだらない「American Joke」がいっぱいあって、あまり翻訳するほどのものではなかったので、英文のみです。

次回予定している話は「Web 2.0」といった、流行用語の説明と、 その「Web 2.0」がオンライン社会や今後のWebマーケティングをどう影響するかを推察する話になると思います。

今回の英語版

2005年11月14日月曜日

さようならUrchin、こんにちはGoogle Analytics

市場に出回っているウェブアクセス解析ツールの中でも上質な部類だったUrchinをGoogleが今年の3月に買収したとき、Googleがこのツールをいかに利用するのかは謎につつまれていた。


Urchin


が、この謎を解き明かすかのごとく、今日、Googleは新ツールGoogle Analyticsを公開。すでに、www.urchin.com にアクセスしようとするとGoogle Analyticsに飛ばされるようになっている。


Google Analytics


ちなみに、このGoogle Analyticsは、AdWordsユーザーの皆さんには無料で提供されます。

これは一見朗報に思える。
だけど、実際はどうなのか。
このツールが本当に意味するところは、何なのだろうか。

Googleがこのアクセス解析ツールを開発したということは、今後、私たちのサイトに集まってくる訪問者がどこからやってくるのかなどといったトラフィック情報や、その他多くのサイトアクセスに関する統計が、Google側のデータベースに蓄積されていくということになる。
Googleは、どれだけのサイト訪問者が純粋な検索結果(オーガニックサーチ)を元に訪れ、どれだけの訪問者がPPC(クリック課金型キーワード広告)から訪れたのか、またそのPPCはどこのPPCエンジンによるものか、などといった細かいデータを、分かりやすく整理された一覧表にして閲覧することができるようになる。



Google Analytics


こんなことを考えていると、「一体Googleをどれだけ信頼できるだろうか?」と自問してみたくなる。
これまでだったら、普通に「結構信頼できる」と答えていたはずだった。

でも、どれだけの訪問者がOverture(Yahoo!の検索キーワード広告)経由で自分のサイトへ来ているかなんていうデータを、本当にGoogleに知られてもいいだろうか?

どれだけの訪問者が実際に純粋なSEO結果経由で自分のサイトへたどり着いているかという具体的な数字と、それが自分のサイトにどういった意味をもたらすかということを、本当にGoogleに知られてもいいだろうか?

自分のサイトの「CPC対オーガニックコンバージョン」などといったデータが記載された報告書がGoogle側で簡単に作成されてしまってもいいだろうか?


Google Analytics


勿論、Googleの既存のシステムでもすでに検索結果のクリックスルーの統計を取ることはできたわけだけど、実際に自分のサイトの売り上げに影響している情報をそう簡単に彼らに手渡していいものだろうか?

いかに“良心的”サイトであると言っても、Googleも広告販売をビジネスとする一企業。

SEO(検索エンジン最適化)に長けているために、オーガニック検索のクリックスルーから得る売り上げが高いサイトが、AdWordsにあまりお金を落としていないということがアクセス解析により判明したとする。そのとき、Googleがオーガニック検索の結果に手を加えてサイトのランキングを下げ、それによってクリックスルーの数を減らし、さらにそれがAdWordsへの出費に繋がるように仕向けないとは言い切れない。

ビジネスだけを念頭において考えれば、Googleがそういったことをしてもまったくおかしくはない。

私は検索エンジンスパムに強く反対するSEO業者の一人です。今までフェアに検索エンジンと向き合ってきただけに、例えそういった行為が彼らにとって有益かつ可能だとしても、彼らもフェアでいて欲しいと願っています。。。

というわけで、この大変役立ちそうな無料解析ツール(でも今日はちょっと動作が不安定)、どれだけ信頼がおけるのか?皆目見当もつきません。


Google Report


本音を言うと、私はちょっと警戒しています。

今日はそんなことを「うーん」と考えた一日でした。

2005年11月7日月曜日

"Google Bowling"に気をつけろ!

近頃検索エンジン界でよく耳にする"Google Bowling"という用語。Eコマースのサイトや広告リンクを売る大型サイトを管理している人は、知っておくべき用語です。

Googleが全面的なリンク買い付けキャンペーンを“罰する”ために、今年3月にアルゴリズムを改変したのがそもそもの事の始まりのようだけれど、近頃は悪徳SEO会社が自社のクライアントの競争相手を潰すためにこのGoogle Bowlingというトリックを用いているとして話題になっている。

Google曰く:

噂:競争相手が何らかの手段を用いて別のサイトのGoogleランキングを下げたり、Googleのインデックスからそのサイトを削除させることが可能である。
真相:競争相手が、あなたのサイトのランキングを妨害したり、あなたのサイトを我々Googleのインデックスから削除させることは、ほぼ不可能です。あなたのサイトのランクとインデックスへの表示は、コンテンツの選択やそのサイトのデザインなど、ウェブマスターのあなたが管理できる分野が決定の要因となっています。


ということだけれど、巷ではまったく別の説が流れている。

実際に、こういった競争相手のサイトを陥れるようなキャンペーンを肩代わりしてくれると公言している企業もいくつかある。
そんな企業を無駄に宣伝してやることもないのでリンクはしませんが、代わりにそこに掲載されていた言葉をここに引用します。

我々のような人々にGooglebowlのパワーを授けることにより、この収益機会を生み出してくれたGoogleに感謝します。

ちっとも心の温まらない話ですね。

2005年10月23日日曜日

“It”とは? eBayのヌル?いビラルマーケティング

“IT”という何やら意味深なキーワードを打ち出したeBayの最近のテレビCMを知ってますか?






オンラインコミュニティに参加している人なら、おそらくテレビよりネットで先に“It(ソレ)”を目にしているのでは?

(もしくブログ はとかブログという名のコミュニティとか、その手の場所 で目にしているのでは……)


ニュースや面白ネタが大好きな人なら、毎月5ドルの会員費を払っても絶対損はない(と私は思う)最高に面白いオンラインコミュニティ、TotalFarkの会員の私は、そのコミュニティでこの“Itとは一体何なのか?”というサイトについての投稿をいくつか発見。

ところが、面白いことに、TFコミュニティでは二つの投稿で今回のキャンペーンがあまりにもあからさまなビラル(口コミ)マーケティングの手口であると指摘されていました。

ついでに、以前大騒ぎになったSegwayの口コミキャンペーンが得た“ネットを沸かせる効果”を、今回のこのキャンペーンは得られていない印象もある。一部のネットユーザが、消費者を操作しようとする企業の手口についていかに敏感且つ賢くなってきているかがわかりますね。

とはいっても、これがもしMySpaceとかLivejournalだったら、もっと騒ぎになったのかも知れないけれど、何しろ私もそこまでチェックしなかったからなぁ。

なぜって?

“は?”とは思ったけど、“ふむふむ”と考えるには至らなかったから。;)

ここに最近の企業がインターネットの口コミマーケティングを用いて我々を“攻撃”する手口について書かれた興味深い(でもちょっと古い)記事があるので読んでみたい方はどうぞ。(英語だけど)