2008年9月2日火曜日

「SNSマーケティングにおける心得」USFL連載その第27回(11月1週号)

前々回触れたロン・ポール氏のようなオンライン上だけの人気者でもなく、前回触れたミット・ロムニー氏のような、オンラインに疎いまま利用しようとしている候補者でもなく、ソーシャル・ネットワーキング・サイト(SNS)を有効に活用している大統領候補がいます。それが民主党のバラク・オバマ氏です。
マイスペース、フェイスブック、ユーチューブなど既存のSNSを活用しているのみならず、オバマ氏は自分のサイト内にmy .barackobama.comという自前のSNSを持ち、7万人のメンバーを抱えていると言われています。ちなみに同じく民主党の候補者で、前回の大統領選では副大統領候補となったジョン・エドワーズ氏も同じような仕組みのサイトを持っています。
このオバマ氏とエドワーズ氏が、オンライン上の政治資金集めの上位に来ているのは偶然ではないのです。オバマ氏は、人気調査ではトップのヒラリー・クリントン氏に負けていましたが、オンラインにおける政治資金集めという点においては優勢でした。もしかすると、オンラインで集めた資金額の最高記録を更新してしまうのかもしれません。
特筆すべきは、オバマ氏に政治資金を寄付している層の中には、SNSがあって初めて政治家に寄付することになった人々が存在していることです。オバマ氏の陣営は、SNSマーケティングの第一ステップをクリアをしています。
オンラインメンバーが、自ら周辺の人々に伝達し、他人の興味を喚起し(口コミ効果)、そのコミュニィーを拡大していっているのです。

政治家も企業も同じこと
SNSマーケティングが、今とてもホットなマーケティング用語・概念であることは間違いないでしょう。しかし、実際に成果を上げるためには、従来のトップダウン型マーケティングから離れ、ターゲットに伝達するためのツールを直接用意したり、伝達したい内容までを提供したりする必要があります。
そのためには、コミュニティーをよく理解し、しっかり受け入れられるようにその一員となり、溶け込むことが重要です。SNSの仕組みは、一見、簡単に思えます。しかし、他のウェブマーケティングの手法と同様、「皆がやっているから」という甘い考えで便乗するだけで成功するような甘いものではありません。
企業であろうが、オンライン活用で伸び悩んでいる共和党候補者であろうが、非伝統的なマーケティング手法に着手する場合、伝統的な考え方を持ち込んでは成功は難しいのです。

甘い考えは捨てよう
甘い考えは捨てよう企業や政治家の中には、SNSマーケティングとは、マイスペースやフェイスブックなどにプロファイル(自己紹介ページ)を作り、「友人」をより多く作ることだという勘違いが多いように思います。
これは、ウェブマーケティング全般でいまだによく見られる勘違いです。「何を」までしか見ていないのです。「何のために」というところを見極めないといけません。
そのプロファイルや「友人」を、投票なりお金なり、目的としているものへ如何に変えるかを考えることが重要です。
本欄で紹介してきたSEOやPPCなどを使って、検索エンジンの表示結果のできるだけ上位に表示させ集客に成功したとしても、それを売り上げや問い合わせにつなげられるページコンテンツがなければ意味がないのと同じですね。

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