2008年1月14日月曜日

「バイラルマーケティングから学ぶ」USFL連載その18(6月3週号)

18回目はUSフロントライン回6月3週号USFLに入っています。
コラム18回目 は、このブログ内でお読み頂けます。

前回6月1週号では、バイラル(口コミ)マーケティングについて説明しました。今回はその続編です

口コミはこうして始まる
友達から「面白い」「遊べる」ウェブサイトのURLをEメールでもらった経験はありますか? インターネットを使っている人であれば「はい」と言う人が多いのではないでしょうか? なぜか私は頻繁にもらいます。しばらく前ですが、www.subservientchicken.comというURLが転送されてきました(我が社のクライアントではないので、本欄で紹介することに裏心はありません! 笑)。
これは、大ヒットしたバーガーキング社のバイラルサイトです。人から人へ火事のように広まったバイラルマーケティングの成功例とされています。その成功を見て、真似した会社は無数にありましたが、大半は同じ効果を再現できずに終わりました。人から人へ伝達されるには、それなりにユニークなアイデアが必要なのです。インターネットユーザーは馬鹿ではないのですから。

これも想定内?
ボストン在住の読者の中には、1月末に、あるバイラルキャンペーンに巻き込まれてしまった人がいるかもしれません。アニメ番組「Aqua Teen Hunger Force」の関係者が、通常の広告とは別に、光で番組キャラクターを表現する小さな装置を町の至るところに置いたのです。それを見て、「何これ?」と面白がるファンや若者は写真を撮り、ブログなどに載せました。しかし、ある地下鉄作業員が、テロリストが設置した爆破物ではないかと勘違いしたため、結果的にボストン市中が大パニックになったのです。
2人の逮捕者を出す騒ぎになりましたが、このテロ騒ぎがあったからこそ、このキャンペーンはここまでの注目を浴びることになったとも言えます(どこまでが想定内だったのかは分かりませんが)。
バイラルマーケティングは、無関係な人を巻き込み、利用して、無料で自分の広告を伝達してもらう行為です。大抵の人は、利用されると怒ります。そのためバイラルをねらって失敗すると、逆に反感を買うこともあります。例えば去年の暮れ、ソニーの子会社が強引なバイラルマーケティングを行ったのですが、オンラインユーザーからバイラルであることをばらされ、批判を受けました。しかし、恐ろしいペースで伝達され、社名などが出回ったのも事実です。英語には「There is no such thing as bad press (publicity).」という表現があります。「マスコミなど人々の注目を浴びること自体が良いことである」という意味です。
まあ、おそらくバイラルマーケティングで本当の失敗と言い切れるのは、私の目に入っていないキャンペーンのみでしょう(笑)

成功するマーケティングとは
大量の商品やサービスが溢れている現代社会。各社は、いかに消費者の目を引き、自分の製品を売るかで、しのぎを削っています。敗者は淘汰されるだけです。宣伝や広告に慣れてしまい、賢くなった消費者に対しては、新しいマーケティング手法を開拓すると同時に、伝統的な広告媒体の上手な活用が必要になります。
マーケティングされる側の気持ちをどう尊重するかが、成功の秘訣の一つではないでしょうか。スパムやポップアップ、憎たらしい音が出るバナー、本物の手紙を装ったDMなど、消費者が反感を覚えるチープなマーケティングはNG。クロスメディア的なアプローチをうまく利用して、マーケティングされている側も何らかの付加価値が得られるようにすることが重要なポイントだと、バイラルマーケティングは教えてくれます。
相手を騙したりイライラさせるではなく、楽しませ付加価値を与えることで、知人に伝えてもらう。
一方通行だったマーケティングは、双方向のギブアンドテイク時代になってきています。

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