2005年10月19日水曜日

美術館のお手洗い

今回のお話は私があるおばさんと、たまたま美術館のお手洗いでした話がきっかけで、物理的な建物における来客の行動を影響する人間が気づかないさまざまな建築的な工夫と、 それがWeb上になるとどう取り入れるべきものであるというお話です。

今回も長いですので、英語でお読みになるか、完全に飛ばしてください。

今回の英語版

2005年10月17日月曜日

Googleの交渉がYahoo!に妨害された?(フフッ)

以前GoogleとMSNがAOLの買収に興味を示していることを書いたけれど、今日はちょっと興味深い記事を発見。

現在のAOLがどれだけのもので、それを買収しようと躍起になっているサーチエンジンの皆さんにとってどんな意味をもたらすのかについて、今日これから知的怠惰人間から離脱してちゃんと調べてみようと思います(というか水曜辺りにやると思う……“今日”というのはつまり“ネット上における今現在”という意味で捉えてください)。

(もちろん、私が必要としているニュース記事が見つけられなかったら、の場合。つまり、その記事をサーチエンジンで探して、ここにリンクしたら、それでオシマイということ)

それから、ネットオタクの観点から見た“AOL”について、また、よりパーソナルで、無意味で、高飛車な視点から見た“AOLユーザー”というものの意味について、いくつか主張させていただきます。

その主張のうちのひとつでは、高飛車で先入観にまみれたネット上級者達(中級の情報サイトやEコマースサイトを作っていることが多い)と、彼らの持つ偏見、そしてそれらがいかに彼らの開発しているサイトに悪影響を与えているかということを取り上げようと思います。

では続きは英語で。(何じゃそりゃ)

2005年10月15日土曜日

インターネットとサーチエンジンのせいでみんな知的怠惰人間に?

私が子供の頃、家には百科事典のセットがあった。何かわからないことがあると、頭文字で分類されたページをめくりながら、その項目を探し出し、そこに答えがあるか探そうとした。それだけで答えが見つからなければ、図書館に行く計画を立てなければならなかった。

学校の論文も、調べ物だけで何時間もかかった記憶がある。資料を探し出して、その資料からインデックスカードにメモを取りまくり、そのメモを別の言い回しになんとか書き直して論文を肉付け、さらに引用を誤らないように何度も確認したりした。

論文のためにネットから情報や引用を探して利用したという経験は、私には一度もない。
ついでに言えば、当時学校へは毎日7マイル(約13キロ)、しかも行きも帰りも上り坂を歩いて通っていた。

さて、インターネットの最大の利用法のひとつ(もちろん、ポルノ閲覧に次ぐ最大の利用法)が、ありとあらゆる知的情報を、インターネット接続のある人なら誰でも革命的に簡単に手に入れられるという情報収集の点にあるのは、皆さんご存知のところ。

法律関係、医療関係、歴史、はたまた料理のレシピなど、わからないことがあれば何でも5分で調べられるのが今の時代。

そして、検索する時間が短くなるにつれて、情報収集のテクノロジーにも適切な改変が加えられ、サーチエンジンはいまや検索キーワードにより忠実で関連性の高い検索結果を吐き出すようになってきている。

最近ではよく人と会話しているときや、人に質問したり質問されたりしたときに、「それは考えてみなかったわ、後でちょっと調べてみる」、つまり、Googleに行って検索してみる、と言う機会も増えているように思う。(日本的表現には“ググってみる”)
まぁ、言うだけで、実際にはたまに調べるだけですが。

私は自分のことを知的怠惰人間とは思わないです。いや、実際はそうで、自分が認めたくないだけなのかも知れないけれど、ともかく自分のことをそういう風には思っていないわけです。でも確かに、いつでも簡単に知りたいものを調べられるせいで、調べ物に対しての緊迫感は失われる。

これだけ容易にどんな情報でも得られるという事実は、私をちょっと自信過剰にしているかもしれません。

時々忘れてしまうのは、いくら情報が楽に手の届くところにあったとしても、それをちゃんとサーチエンジンで調べて、その検索結果のページから情報を自分の脳内に格納させない限り、それは私自身の情報にはなっていないということ。

私が実際にそれらの知識を自分のものにしようと努力するまで、これらの検索結果は単に私の知識になりえる情報というだけで、私自身の知識にはなっていない。

これについて、若い世代のインターネット利用者がどんな風に思っているか、ちょっと興味があります。

もしかして、彼らは情報網がすぐそこにあってすぐに手に入るから、その情報を自分のアタマにしまわなくても、授業の点数さえ稼げていればいいと思っているのだろうかと。

そして、キーワードをいくつかタイプするだけで簡単に見つけることができる情報を、パソコンのワープロソフトにいとも簡単にコピー&ペーストで貼り付けて、楽々と文章を操作しながらそれらしい論文を作り上げても、その論文は本を丸々一冊読んで、手で何度も何度も書き直した論文と同じように、彼らの頭の中に残っていくのだろうかと。

2005年10月13日木曜日

“なんで私が先に思いつかなかったんだろう”のコーナーより

インターネットで成功しているアイデアのほとんどが、きわめてシンプル且つとても賢いアイデアばかりです。たとえばMondrianみたいなのは、目にした瞬間“自分にだってできるのに! もしくは誰だってこんなことできるよ!”と思ってしまう。

しかしその驚くほどシンプルでありふれたように感じるアイデアを後から真似するのは簡単でも、実際にそれを目にするまでは、なかなか思いつかないものです。実に“ありふれた”ように感じるアイデアでも、それを最初に思いつく人はやはり天才だと思う。

技術力もしくは資金(投資家)があれば、優れたアイデアのある、もしくはそのアイデアをうまく盗めた人(企業)は誰でも成功できる

このアイデアは、最近の私のお気に入りのアイデアのひとつ。

上記のリンク先に記されている二つのショップのうち、“Bag Borrow or Steal”というショップについては特によく記事を見かける。

サイト自体はシンプルで、その仕掛け人も明らかにメディアに精通しており、自分たちのビジネスのターゲット層を理解し、いかにしてメディアの注目を集めるかという知識をフルに活用している。

アイデアというものの特長は、盗むことが実に簡単だということ。

ネットではアイデアをBlack Boxにしておくのは難しいので、とにかくアイデアを思いついたら即座にやらねばならないのが、自分のニッチ市場を見出すことと、ブランドを定着させて、さらに定着させて、さらにもっと定着させて、とにかくそのアイデアを人に横取りされないようにすることです。

ネット界で一番優れたアイデアを持っていたとしても、それが他の誰のものでもなく自分のアイデアであるということを知らしめるためのマーケティングとブランドの定着を怠れば、成功しません。

それにしても、この“Bag Borrow or Steal”のアイデア。自分が先に思いついてればよかったのに!とか、ここのオーナーがブランド定着力に欠けていて、私がこのアイデアを上手いこと横取りできれば、今頃は…。(しばし妄想タイム)

ほとんどの場合、こういうアイデアに出会って、それがネットで上手く活かされているのを見ると、とてもステキに感じる。

でも、私はここのメンバーにはなっていない。
理由は、自分がこれを先に思いつかなかったことへの罰として。
私はバッグなんか欲しくない!!(嘘)

一体何を企んでる? エキサイティングな今日のネット業界

インターネット業界では合併とか提携とかが次ぎから次へとあって、なんだか利用者の私たちにどんな影響を及ぼすのかがよくわからない今日この頃。

そして、その合併や提携に関わっている企業にとって、どんな利益があるのかも見えづらい。最終的にはすべてが“金”なんだと言われればその通りだけど、一体彼らはこれらの取引からいかにして収入を得ようとしているのか、なぜ今この取引に踏み出したのか、という点については、世の“エキスパート”たちも頭を悩ませています。

ここのところよくこういった憶測やうわさが“ニュース”として扱われているのを目にするけれど、実際本当に何がおきているのかを把握している人は少ないという気もする。

実に意外なYahooとMSNのインスタントメッセージ機能タイアップもそのひとつ。
利用者の観点からすれば、この提携はちっとも意外でも何でもないわけですが、MSNとYahooはこれまで決して仲がいいとは言えなかった。
(それについてはこちらの記事をどうぞ)

もちろん、一時期は両社のサーチエンジンをInktomiが提供していたわけだけど、やがてYahooがGoogleに乗り換え、やがてそれもやめて今度はInktomiを買収、そしてそのInktomiはMSNが独自のサーチエンジン(今でもなんか動作がヘンですね)を使用し始めるまで使っていたサーチエンジン、というわけで……。

あちこちで買収やら提携やら分離やらがあって、次にはどことどこがくっつくのか、本当に見当もつかない状態。もはやこれはサーチエンジンとインターネットの昼メロ、あとは別れた夫の顔にコップの水がぶっかけられるシーンがあれば満点、といった感じかな。(笑)

こちらもやはりちょっと奇妙だけど実はそうでもないタイアップの話題:
Paypal が VeriSign の支払いプロセス部門を買収
(ここに追加情報あり)

あと、このGoogleのトップシークレットとはすでに呼べないようなトップシークレットプロジェクトには、“誰かさん”が恐れおののいているのでは?
わたくしめのマジカル占いボール(??)によれば“可能性アリ”とのこと!

他にも、MSNとAOLが提携するというニュースが流れたのが先月のこと。そしてこの提携によってMSN・AOLはYahooのページ閲覧数を超えると言われていたわけだけど、ちょっと待った!

今週の最もホットな話題は、なんとGoogleとAOLの提携。AOLは今でもGoogleをバックエンドのサーチエンジンとして利用しているから、不思議ではないのだけれど、でも一体双方が何を求めているのか、これまた謎に包まれている。

これはVoIPをめぐる争いなのか、はたまたサーチエンジンを狙う争いか?
それともGoogleは単にAOLのブラウザを手に入れたいだけなのか?

ということで、このドラマの続きは以下次号! 気になる人はインターネットにチャンネルを合わせてね。乞うご期待。??

2005年10月12日水曜日

自己紹介

今回のお話は私が人間として、Webマーケターとしてどういった観点から社会・インターネット世界を観察しているか、 どの点に重視を置いているかを記述したものです。(英語のネイティブですら「言葉が多い」と指摘されました‥)

日本語化するには時間も掛かりすぎるので、申し訳ないのですが英文のみでご容赦ください。

書いてある最終的なポイントを一言でいうと、私が常にインターネット世界を見ながら
オンラインの世界と社会の展開・発展・変化を仕事上だけではなく、
一個人としてとても面白く感じることはどういうことかを書いています。

今回の英語版

2001年6月7日木曜日

「Googleの天才的発明」USFL連載その6

6回目はUSフロントライン誌の12月3週号(「心も体も すっきり排毒 」号)に入っています。

コラム「Googleの天才的発明」 は、このブログ内でお読み頂けます。

やさしく解説 ウェブマーケティング
レイア・ワークマン(ACE Inc.)

前回は、グーグル誕生までのお話でした。今回は、
グーグルの検索順位決めルール(通称アルゴ)における天才的発明、「ページランク(PageRank)」(通称PR)についてお話しします。

ベータ版から本物の検索エンジンへ
1999年頃、グーグル創立者であるペイジとブリンが「The Anatomy of a Large-Scale Hypertextual Web Search Engine」、日本語で言うと………、何だろう(汗)。簡単に言えば、グーグルという検索エンジンの概要をスタンフォード大学で発表しました。

その論文(?)には、グーグルがいかに莫大な情報(ウェブサイトなど)を収集し、整理できるのかが書かれていました。これは今でもウェブで読めます。SEOをやっている人なら、何度も読んでいることでしょう。しかし残念ながら、それ以来グーグルは、自分のアルゴについて、一度も公にはしていません(涙)。
その中で、各ウェブページの重要度を定量化して測定する、ある指標が提唱されています。それがPRなのです。下の枠内はグーグルサイトからの引用です。

結局PRって何?
要するに、自分のサイトへのリンクを多く貼られているサイト、中でもPRの高い(言い換えれば重要度の高い)サイトにリンクを多く貼られているサイトは、評価が高いということです。リンクを貼ってもらう=相手に認められているということなので、どれだけ多くの人(サイト)に認められているかが考慮されるわけです。
従来の検索エンジンは、ページの内容と検索語との関連性の高さだけで検索結果の順位付けをしていたので、サイト自体の価値も指標に入れた、このPRという順位付けはまさに画期的でした。

GoogleによるPRの説明
PageRankTM は、ウェブの膨大なリンク構造を用いて、その特性を生かします。ページAからページBへのリンクを、ページAによるページBへの支持投票とみなし、Googleはこの投票数により、ページBの重要性を判断します。

しかしGoogleは単に票数、つまりリンク数を見るだけではなく、票を投じたページについても分析します。「重要度」の高いページによって投じられた票はより高く評価されて、その票を受け取ったページを「重要なもの」にしていくのです。こうした分析によって高評価を得た重要なページには高いPageRankTM (ページ順位)が与えられ、検索結果内の順位も高くなります。


あなたの会社のサイトのPRは?
ここまで読んだサイトオーナーさんは、自分のサイトのPRが気になりますよね。ちなみに写真は、グーグルツールバーといい、これでPRを確認できます
(日本語版のダウンロードは toolbar.google. com/intl/ja/ から)。
PRの値は0から10まで。グーグルにキャッシュされていないサイトや、罰則を食らっているサイトはページランクバーがグレーになります。PRが0なら、新しいサイトか、リンクがない、またはグーグルに嫌われたサイトです。

ちなみに、www.google.co.jpのPRは9(10じゃない!)。言語にもよりますが、一般にPR6以上のサイトを作るのは簡単ではないとされています。ただ、正しいサイト作りをしていれば、PR5までは必ず行けるでしょう。