Artisan Crew 経営陣 Hibino & Workman

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  Hiroshi Hibino 日比野　泰 （President）

  
  

  Chief Engineer / Head Branding Analyst / Video Content Concepting

  静岡大学 工学部電気工学科卒

  
  

  ヘビーメタル・ギタリストが、やがてSEとしての才能を開花させ、アメリカで起業、SE兼広告代理店のクリエイティブディレクターとしての現職に至った軌跡。

  来歴

  
  

  大学時代：

  大学4年生時に、プロミュージシャンを目指すことを決意。卒論^[1]に取り組む一方で、バンドでの修行を積みながら、アルバイトで資金を溜め、卒業後に上京する。

  職人時代：

  音楽ができれば、仕事は何でも良いと考え、道路工事での旗振りや、酒屋の配送助手などのアルバイトに汗を流す日々。しかし、単純作業の繰り返しが合わず、ほどなくして転職。設備工になり、職人のクリエイティブでこだわりのある世界に一気にのめり込む。

  短時間でも結果を出すこと、逆境をもチャンス変える機転、仕事への誇りやプロ意識など、メンタル面は、この頃鍛えられた。

  仕事内容は気に入っていたが、自身のミスにより、指を粉砕骨折、手首を捻挫。音楽ができなくなっては本末転倒と、怪我のない職場を探し始める。

  内勤をしていた際に、「Accessというデータベースソフトがあるけど、これで給与計算や資料出力のソフトを作れないか？」と頼まれ、独学で作り上げ、コンピュータの面白さを再認識。転職先にはIT会社を選ぶ。

  SE時代：

  入社後数カ月は、簡単なカスタムソフトの開発やネットワーク構築など、IT全般の業務に携わっていた。その頃、会社が下請け業者に依頼していた、大規模な販売管理システムの出来の杜撰さを知る。そのせいで会社が窮地に立っていたため、日比野本人が数カ月で必要なスキルを習得し、ソースコードも把握、運用に乗せることに成功。これが評価され、1年経たずして課長職に就任。

  その後、開発者の経験年数に関係なく、短期間でも安定したパフォーマンスを引き出す、独自のフレームワークを構築し、完全な自社内開発体制にシフトさせた。日米企業へ多数の基幹業務管理システムを開発し、運用に乗せる。

  一例として、アメリカ現地法人商社の、開発費約30万ドル（約3000万円）の販売管理システムを、経験僅か3カ月程度のスタッフを含め、のべ1.5人で実質3カ月で構築、テスト稼動2カ月で、そのまま本稼動させたことがあった。

  出社時間は起きた時、帰りはタクシーも使い放題、人一倍嫌いなスーツにネクタイも不要、長髪、短パンにサンダルのスタイルでも、取引先へも出向けるような地位を、日比野は社内外ともに確立した。給与は社長より多く取り、休みも自分で決め、ライブには会社に機材車まで提供して貰うなど、サラリーマンとしても、音楽活動をするにしても、理想的な環境で充実した日々を過ごす。

  しかし、やりたいことが何でもできる状況に、将来ろくでもない人間にならないかと、不安を抱くようになる。個人の快楽だけを追求することにも虚しさも感じるようになり、社会貢献について真剣に考えるようになる。また同時に、会社のあり方にも、強い疑問^[2]を感じるようになっていた。

  そこで、その時置かれていた環境から脱して、理想の企業を作るべく、仕事も音楽も、よりレベルが高いと思われたアメリカで起業することを決意。

  起業の準備に入っていた時期に、たまたま某IT会社とコンサルティング会社と会計事務所の3社が組んで、日本市場向けにパッケージの販売管理システムを開発・販売するというプロジェクトのメイン開発者にならないかと、個人的にオファーされ、受託する。

  但し、自分が抜けても会社が存続できるよう、後任の人材を育成しつつ、プロジェクトの半分（3,000万円分）を、会社として請けたことにすることで、資金的な置き土産も残す。

  起業後：

  渡米当初は在米日系企業向けに、ITサービスをメインに、自ら営業活動を行うも、元々営業が苦手で、大いに苦戦。しかし、パートナーのワークマンが、ウェブ・SEOを研究していたため、自社サイトをSEOにより、主要なキーワードで日本語、英語ともトップの位置を獲得したことで、問い合わせが急増した。これにより、マーケティングの重要性を身をもって認識する。

  仕事が入るようになり、自身はシステム開発事業のチーフエンジニア職に従事。元々は基幹系C/S型システム開発が専門であったが、必要性からWebシステムやモバイルシステムなどの開発を、持ち前の習得力と応用力を駆使して、すぐに第一線でこなすようになった。

  また、ビジネスを存続・成長させる上で必要不可欠なマーケティングを、自社に適用してスキルを磨き、クライアントへ提供するというビジネスモデルを確立する。

  次第に会社のサービス内容が、Webマーケティングを中心に、ブランディングやアメリカ進出サポート、バイラルマーケティングなど多岐に拡がっていくにつれて、Webプロデューサーやクリエイティブディレクターなどの役割も担うようになる。

  「バイラルプロジェクトなどは、バンドでメンバーがアイデアを持ち寄り、曲を作り上げていく作業にとても似ている。他社が真似をしても、得られる成果も知れているため、SEOの様にノウハウ流出を危惧する必要もなく、本物と偽者の差が、より浮き彫りになる、その世界観も、特に気に入っている」（日比野談）

  日比野の持つ分析力・創造力、そこにパートナーを含む、高い潜在能力を持つアメリカ人メンバーたちの、クリエイティビティ、マーケティングセンス、アメリカ文化の理解などを加えることで、米市場において、米系競合とも対等以上に戦える、希少な日系企業というポジションを確立。

  日本市場での案件では、最先端アメリカのマーケティング戦略や技術を、常に先取りして適用できるというアドバンテージを武器に、主に日比野自身が先頭で指揮をとっている。

  既に日系企業からは、競合とのコンペなしで、案件を最初から企業指名でオファーされることも少なくない。近い将来、日系のみならず、全米の米系企業からも、（「このバンドの曲調が好きだから」というように）指名買いオファーが入る企業に自社を成長させることが日比野の目標である。

  また、日比野自身が日頃感じている、IT・広告業界の無責任さ、不誠実さに一石を投じる意味で、全米のフリー誌（US フロントライン）に「IT侍が斬る。ウェブとシステムの裏世界」というコラムを寄稿している。

  自身がテーマにしてきた、「社会貢献」については、「企業の存在意義は、雇用の創出と安定にある」という結論に至っており、自社や関係企業の雇用を創出し、安定させることに、強く意義を感じている。

  ビジネスは尊重が感じられる関係を重要と考えており、自社の金銭的メリットより、モチベーションや相手の理解度やポテンシャルを重視して、仕事を選ぶ傾向がある。

  エピソード

  
  

  各時代のエピソード

  学生時代、あるドラマーに言われ本人の胸に刺さった、「出来るけど、（あえて）やらないと、出来ないから、やれないは、意味が全然違う」という言葉が、「スキルはできるだけ磨き、選択肢を拡げた上で、最良の選択をすべき」という考えの原点に今もある。

  職人時代、職場にプロを目指すバンドマンも多かったが、皆、職人世界にもはまっていて、建物に入ると、真っ先に天井（施工の難易度や仕上げ）を見る習性があり、自身もしばらくその習性が消えなかった。

  東京の下町に住んでいた頃、近所には数100m毎にコンビ二が立ち並ぶ中、ある個人商店があり、商品には埃が被り、値段もコンビ二より高く、店主はステテコ姿で扇風機にあたりながらテレビを見ているような店が、なぜ存続できているのか不思議で、関心を持っていた。あるとき近所のやきとり屋のおばさんとの会話で、昔から近所の人が、あえてそこで買い物をして、その店を支えていた事実を聞かされ、地域社会のすばらしさに感銘を受ける。

  「音楽に関しても、スキルは大して伸びていないのに、楽曲に対する自信^[3]は全く衰えず、組む相手に望む条件だけが無駄に高くなっていた。それを自覚しつつも、妥協もできないという悪循環に陥っていた」（日比野談）。そのため、仕事でも音楽でも、日本よりレベルが高いと思われたアメリカへ渡り、起業することを決意した。

  独立後、日本市場向けパッケージの販売管理システムを、1人で約2カ月で納品するも、しばらくして内部で横領事件が起き、さらに資金調達の目処も立たなくなり、結局、プロジェクトが頓挫。開発費だけは全額入金されるも、パッケージソフトの開発者として、全国に名前を売るチャンスや、メンテナンスによる継続費用の話が無くなり、収入源ゼロでの渡米となった。

  人物像

  
  

  価値観やポリシーなど

  単純作業のアルバイトを経験して、全く興味のない仕事をやると、人に迷惑をかける上、本気で極めるつもりもないので、いつまでも上達もしないという自身の教訓から、会社での採用時には、応募者からパッションを感じられるか？　を真っ先に気にしている。

  「建築現場では、１つの作業を30分以内で完了するように要求される状況が頻繁にあった。それで随分精神的に鍛えられた。その後転職してから、仮に短時間で結果を求められても、せいぜい数時間から半日以内という世界観が、ぬるま湯のように感じられた」（日比野談）

  29歳の当時サラリーマンで、年棒1400万円を手にしていた一方で、本人に特に物欲はなく、上京時より住んでいた、東京の家賃4.5万円程度のアパートに、不自由もなく住み続けていた。

  責任の重い仕事をこなし、人の役に立つ程、自信にも繋がり、人間的な成長を後押しし、それが自己の音楽にも好影響を与えていると考えている。

  独立の際には、本当の実力を試したいという思いと倫理観から、顧客を盗むということは一切しなかった。

  音楽に関しては、スキル的には素人を騙せる程度と、本人がよく表現しているが、曲やフレーズは、今でもかなりの自信を持っており、プロでも通用することを今でも証明したいと考えている。ただ溜まったフレーズを使って、温めてきた構想を実行に移すには、お金も時間も掛かるのが、今の悩み。

  脚注

  
  

  1. 卒論テーマは、「巡回セールスマン問題の最適解を、遺伝的アルゴリズム（GA）で解く」というもの。適応度の高い遺伝子が生き残るという、GAの概念を、コンピュータを用いて、最短経路を求めるのに利用したもので、実社会で言えば、基盤に穴を開ける機械が、最短ルートを辿るために、GAが用いられている。

  2. 営業畑の社長のビジネス手法が、対価を重んじる技術屋からすると、とかく不誠実と感じることが多く、誇りの持てない会社を自分が支えているというジレンマを抱えていた。しかし、自身が経営者でない限りは、それ以上語る立場にないとも感じていたのも、起業を思い立った背景の１つ。

  3. ちなみに自身の「良い曲」の定義は、「何回、快適に聞けるか？　聞きたくなるか？」であり、本人的に、世の中の大半の曲はせいぜい1～3回程度である一方で、好きな曲なら1万回以上というケースもある。「一応、1,000回を超えれば良い曲

  記事

  
  

  コラム「IT侍が斬る！システムとウェブの裏世界」

  2009年より、全米のフリー誌US Frontlineにて、Webマーケティング、Eビジネス、I.T.及びアメリカ市場などのトピックにおけるエキスパートとして、コラムを寄稿しています。

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  また、以下よりトピックに関連する記事を絞ってお読み頂けます。

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  Leah Workman レイア ワークマン （Vice President）

  
  

  Sr. UX Developer / Social & Media Marketing Head / Cross-culture Advisor

  早稲田大学 政治経済学部 政治学科卒

  Leah Workman on Linkedin
  

  レイア・ワークマンは、ほぼ10年間過ごした、日本の生活に終止符を打ち、2001年にACE創立に参画しました。

  彼女は18歳のとき、早稲田大学入学を目指して、単身で来日しました。

  日本語を学ぶため、最初に彼女は英語が話せる友達を作ることを禁止し、昼の料理番組を見まくり（「突撃!隣の晩ごはん」と言う番組、大好きでした）、 そのうちに日本語能力試験の一級と早稲田の入試に受かり、早稲田大学の政治経済学部の、史上初の西洋人学生になりました。 当時政経学部の学生だった方、もしも授業中に、気持ち悪いくらい先生の近くに座り、瞬きせもせず必死で社会学を理解しようとしていた金髪の白人がいたとすれば、それはきっと私でした。（「はーい！こんにちわ。」）

  大学3年生あたりに、いくつか「将来、やばくない？」と思うようになりました。

  その要因：
  １．まず以前計画していた「弁護士」への道は、歩みたくなかった。
  ２．「政治経済学科卒」という経歴で、確実に食べていけるスキルは含まれていない。。
  

  なので、「素敵な靴が大量に買えるような、立派な将来が持てる、キャリアへの道は何だろう？」と、自己分析をしてみて、「翻訳・通訳」（と弁護士）だけは不正解と理解しつつ、 コンピュータやオンライン掲示板とウェブユーザの心理、鋭くて面白いコンテンツや（当時下手なりに）ウェブ製作に、とても興味があることに気づきました。

  卒業後は、東京のある日系コンサルティング会社に就職し、NTTなど大手のWebプロジェクトに携わりました。また当時、たまたま同じビルの上のフロアの会社に勤めていた、現在のパートナと出会いました。

  2000年の初めの頃、（未だに直らないけど）営業嫌いから生じた、当時無敵の強烈なスキルを身につけました。それはSEOでした。SEOのエキスパートになった理由は、人的営業をしなくとも会社に潜在顧客を呼び寄せられるからで、苦手な営業以外で、何とか貢献しようと考えたからです。

  SEOやウェブ制作だけではなく、当時仕事上では、大規模なSNSとも裏側で深く関わっていて、複雑で厄介なオンラインコミュニティの運営のスキルを鍛えられながら、ハンドルできるようになった。なお、大量なユーザデータから、人間の行動パターン分析も日頃行い、さまざまな仕事上の面において、貴重な経験になった。

  その後彼女は、いくつかのウェブサイトとブランドをラウンチし、全国チェーン店ともオンライン上の有力キーワードで競り合って勝ち、全国放送に取り上げられた、バイラルコンテンツを作り、愛用されているオンラインショップを運営し、コンピュータフォレンジックの資格をとりました。

  レイアは第三者の語り口調でものを書くのが大好きです。ミームの力を信じ、消費者を馬鹿にしたような、無神経な広告は絶対に許してはならないと思っています。

  もしもレイアに仕事上の持論があったとすれば、（普段そういうのは絶対無いです）
  

  「消費者をイライラさせたり、退屈させたり疎外するような、広告は断固として許せません。大半の広告代理店は気づいていないなだけで、今となって、広告は双方向のものです。 もはや人々が広告からオプトアウトできる時代になっているので、自ら参加したい、消費したいぐらいの広告を作らなければ、人々に貴社のメッセジーが届きません。」

  レイアのプライベートでは、世界を回って美味しいものを食べ、愛読書とオンラインミーム中毒であり、ファッション・料理・メイク・タトューなど、何かを作るテーマである、テレビ番組にはまっています。 また困っているビジネスを助ける番組（日本の「愛の貧乏脱出大作戦」を愛していた！）で、Tabathaなんかも大好きです。 気が向いているときに、愛猫をインターネットで有名にする努力をしていますが、今のところマルのようになっておらず、多少悔やしがっています。

  
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